東京で年収600万円はきつい?【実例シミュレーション】手取り感・生活イメージと今日からできる改善策

家計・生活費

「年収600万円あれば安心」という声もありますが、東京に暮らすと実感は変わりますよね。家賃、教育費、税・社会保険──数字だけ見てもピンと来ない。この記事では“現実の暮らし感”を中心に、独身・夫婦(専業含む)・子育て世帯ごとの手取りイメージと、すぐできる改善策を丁寧に解説します。数字は公的データに基づく概算(目安)です。


この記事でできること

  • 年収600万円(個人ベース)の手取り目安を世帯構成別に提示。
  • 東京の家賃相場や生活費イメージと照らし、実際の暮らし感を示す。(SUUMO)
  • 「きつい」と感じたときの**実践的な改善策(固定費/制度/収入アップ)**を具体的に提案。

重要な前提(短く)

  • 試算対象:**「年収(額面)600万円」個人(会社員)**を基本にします。
  • 社会保険は会社員(厚生年金・協会けんぽ想定)、健康保険は東京都の協会けんぽ料率(令和7年度:東京都9.91%)など現行料率を参考にしています。(協会けんぽ)
  • 結果は 概算(目安)。控除や扶養状況、ボーナスの比率、居住地域によって変わります。

ざっくり早見(世帯構成別・手取りイメージ)

※「約◯◯万円」表記は読みやすさ重視。詳細計算は次節で簡単に示します。

世帯構成年間手取り(目安)月の手取りイメージ一言コメント
独身(扶養なし)460〜470万円約38〜39万円一人暮らしなら家賃次第で貯蓄は可能だが余裕は大きくない。
専業主婦+夫(一人で600万)470〜480万円約39〜40万円扶養控除で税負担が下がる。だが家族分支出は増える。
共働き(あなた600万+配偶者一部収入)世帯合算は個別計算で合算例:あなた(600万)+配偶者300万 → 世帯手取りは約700万〜750万程度世帯で見ると余裕は出やすいが支出も増えやすい。
子ども1人扶養450〜470万円約37〜39万円保育料・習い事が加わると貯蓄が落ちるケース多数。
子ども2人扶養430〜460万円約35〜38万円都内ではかなりタイト。共働きで補う家庭が多い。

(レンジは社会保険料率・住民税の均等割の扱いや保険料の年次改定で変動するため幅を持たせています。)(協会けんぽ)


どうやってこの「手取りイメージ」を出したか(簡単な計算の流れ)

以下は**独身(扶養なし・年収600万円)**の代表例です。計算は公的ルールに基づく概算です。

  1. 給与所得控除(給与所得者の必要経費的控除)
    年収600万円帯の給与所得控除は「年収 × 20% + 44万円」のルールが適用され、約164万円
  2. 社会保険料(本人負担)
    • 厚生年金(折半後・被保険者負担)…保険料率18.3%の折半で概ね9.15%相当。(年金ポータル)
    • 健康保険(協会けんぽ・東京都)…料率9.91%(被保険者負担は約半分 ≒4.95%)+介護保険など(該当年齢で別途)。(協会けんぽ)
    • 雇用保険(労働者負担)…約0.55%程度(年による)。(厚生労働省)
      → 合計で概ね14.5〜15%程度(年収に対して)= 年間で約88〜90万円前後
  3. 課税所得=年収 − 給与所得控除 − 社会保険 − 基礎控除(48万円)
    → 例:6,000,000 − 1,640,000 − 882,000 − 480,000 ≒ 約2,998,000円(課税所得)
  4. 所得税(速算表で算出)+復興特別税(所定%) → 約20〜22万円/年。(国税庁)
  5. 住民税(所得割10%+均等割) → 課税所得×10% + 均等割(自治体で差あるが、目安で5,000円) → 約30〜31万円/年。(バックオフィスの業務効率化なら「マネーフォワード クラウド」)
  6. 最終手取り(年) = 年収 −(社会保険+所得税+住民税) ≒ 約4.6百万円前後(月あたりは約38〜39万円) — 上の早見の根拠です。

※上は個人(年収600万)の例。扶養控除や配偶者控除が入ると課税所得が下がり、個人手取りはやや増えることがあります(一方で家族の支出は増えます)。


東京での生活イメージ(家賃等) — 実際どれくらい消えるか?

東京都内はエリアで差が大きいですが、最近の相場感は下の通り(出典:不動産相場データや主要ポータル)。都心ほど高く、郊外で抑えれば支出は下げられます。(不動産流通推進センター)

  • ワンルーム・1K(都心平均)=8〜11万円/月
  • 1LDK(都心)=12〜18万円/月(エリア次第で差大)
  • ファミリー向け(2LDK以上)=15万円〜20万円以上/月(都心)

生活費のざっくり例(単身・都内)

  • 家賃:10万円
  • 食費:4万円
  • 光熱・通信:2.5万円
  • 交際・娯楽:5万円
  • その他(保険・雑費):3万円
    → 合計:約24.5万円/月(手取り約38万円だと貯蓄は可能だが大きな余裕はない)(ライフルホームズ)

子育て世帯の現実

  • 子どもが1人になると保育料・教育費(習い事含む)で**+2〜5万円/月**が現実的。
  • 子ども2人だとさらに増え、23区内での生活は共働き前提になりやすい。

(公的家計調査を見ると、二人以上世帯の消費支出の平均は変動しています。地域差・世帯構成で大きく変わる点は留意ください。)(総務省統計局)


「じゃあ東京で600万はきついのか?」結論

  • 独身:ギリギリ余裕あり〜やや余裕なし。家賃を抑えれば貯蓄は可能。
  • 専業主婦の夫(あなた600万):税は下がるが家族支出増で貯蓄は圧迫されやすい。
  • 子育て(1〜2人)かなりタイト。共働きや副収入が現実的な選択になるケース多し。

一言で言えば、「600万円は『十分』でも『楽々』ではない」 — 世帯構成によって評価が大きく変わる、が正直な答えです。


今日からできる(実践的)改善策 — 優先順位つき

  1. 家賃の見直し(最優先)
    • 家賃は手取りの25〜30%に抑えるのが標準的目安。23区中心なら引っ越し(エリアや広さの妥協)で大きく改善できる。(SUUMO)
  2. 通信・サブスク・保険を点検(毎月数千〜数万円の削減余地)
    • 格安SIMや不要なサブスク整理で年間数万円〜数十万円の節約につながる。
  3. 税制・制度の活用
  4. 収入面の“複線化”
    • スキルを活かした副業(ライティング、デザイン、動画編集など)や資格での昇給+転職も視野に。
  5. 支出の“見える化”
    • 家計簿アプリでまず3ヶ月見える化。固定費の見直しは、短期で最も効果が出やすい。

参考(主要出典)

  • 国税庁:給与所得控除・所得税の速算表(年末調整資料)。
  • 年金機構:厚生年金保険料率 等。(年金ポータル)
  • 全国健康保険協会(協会けんぽ):令和7年度 都道府県別保険料率(東京都 9.91%)。(協会けんぽ)
  • 厚生労働省:雇用保険料率等。(厚生労働省)
  • 総務省/家計調査(消費支出の実態)など。(総務省統計局)
  • 不動産・賃貸相場データ(賃料目安の参考)。(不動産流通推進センター)

最後に

  • 東京で年収600万円は「余裕がある場合もあるが、世帯構成によってはきつい」――というのが実情です。数字は大事ですが、読者が知りたいのは“暮らしの実感”。今回の試算と生活イメージで、自分の家計の弱点(家賃?教育費?固定費?)が見えたら、まずは固定費の優先的な見直しから取り組んでください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました